代々受け継がれてきた家業である、地域に根差したお米屋さん「田中米穀」様。世代交代を機に、今の時代に合わせた、よりわかりやすく安心感を持ってもらえるようなお店にリニューアルしたいとのことで、ご相談いただきました。
元々は精米工場スペースと、小さな販売スペースに分かれており、代々使われてきた老舗店舗だったため老朽化などが目立っていました。スタートラインは店舗の改装でしたが、オーナーさんの想いをプランに落とし込むためにコンセプトをまとめつつ、プランを進めていきました。
多機能なスペースを持った、新しい時代のお米屋さんに
当初のプランは、工場、物販、事務所のそれぞれのスペースを分ける案を考えていましたが、今後の田中米穀様のお店の打ち出し方や、お店のブランディングを再考し、一つの空間を大きな建具で間仕切り多様性を持たせる空間とする方向に切り替えました。
間口が広く、大きなガラス面を持たせたファサードのおかげでとても明るく、物販スペースは開放的でカフェのような雰囲気に。物販スペースとシームレスに繋がった事務所スペースは、カウンターとお米のショーケースとひと続きになっており、間仕切りとしてオリジナル制作した2mオーバーのスライドドアでフレキシブルに空間をコントロールできます。
イベントスペースとして使うときはドアをオープンにし開放感ある雰囲気に。事務作業をメインにする日はしっかりと空間を分けて。将来的にはカフェ事業の展開も見据えているとのことで、それに対応・拡張できるようなレイアウトと造りを心がけました。
お米が精米されるまでを見える化
物販・事務所スペースからは、精米の様子が見えるように、ガラス越しに01〜04まで番号の振られた精米機が置かれた工場が見えるように設計。数種類ある精米前のお米を選んでもらい、目の前で精米。お客様に安心してもらうため精米工程がわかるようにしたいというオーナー様の要望を取り入れました。
素材やデザイン、雰囲気にこだわったお米屋さん
コンクリート打ちっぱなしに木の家具を置いたインテリアにしたい、というご希望でしたが、建物の作りが鉄骨造だったため、近い雰囲気を出せるモルタルを天井と壁に塗る事をご提案。家具も全てオリジナルで制作し、鉄骨造の無骨な雰囲気の良さもミックスされた空間に仕上がりました。
- 古いRC造の打ちっ放しに所々に木を使ったカッコいい感じにしたい
- 物件が鉄骨造だったため、コンクリート打ちっぱなしの雰囲気に近づけるよう、モルタル薄塗り仕上げを提案しました。
- プロダクトのイメージを確認しながら、什器をオリジナルで製作。
- プランはもともと物販と事務所を分ける案を提案していたが、動線や今後の店舗のあり方、工場の配置等を再度検討し一つの空間を大きな建具で間仕切り多様性を持たせる空間とした。
- 店舗の改装と一緒に店舗奥に設置した大型の精米機(工場)での作業も見学できるようにガラス張りにした。
- 物件名田中米穀店
- 業態物販 / 事務所 / 工場(精米所)
- 平米数62㎡ + 72㎡㎡
- 所在地福岡県三潴郡大木町大字福土784